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ICSのセキュリティ監視とは?ICSのネットワークトラフィックをAIで分析するSCADAguardian
さまざまなインフラの管理・制御する技術の総称である産業用制御システム(ICS・Industrial Control System)。インダストリー4.0やIoTが発展を遂げる今、ネット環境に接続するシステム構築が増えたICSに潜む大きなリスク。その現状と急務となる課題を解説します。
ICSとは?
ICSとは、Industrial Control System(産業用制御システム) の略称。監視制御システム(SCADA:Supervisory Control And Data Acquisition)、分散制御システム(DCS:Distributed Control System)、プログラム可能論理制御装置(PLC:Programmable Logic Controller)などを含む、さまざまなITシステムやIT技術を総称する言葉です。現在では、石油・ガス、送電網、製造、スマートビルやスマートシティなど、多様な業界で幅広く導入されています。
ICS環境でのインシデント要因
一般的なマルウェアや標的型攻撃、ICS攻撃に特化したキルチェーン、内部の者による不正行為、ソフト・ハードのエラーによるインシデントが考えられます。
情報システムとICSの連携が重要
ICSのセキュリティーに特化したベンチャー企業・米Nozomi Networks(ノゾミ・ネットワークス)の提供するSCADAguardian(スキャダガーディアン)は、ネットワークトラフィックをもとに、脆弱性の評価や監視する制御機器の資産管理データの抽出などを行います。
SCADAguardian機能とは
SCADAguardian(スキャダガーディアン)には、ネットワークモニタリング機能とセキュリティモニタリング機能の2つの機能があります。
ネットワークモニタリング機能
- Asset View:資産の可視化
- Network View:通信の可視化
- Process View:プロセスの可視化
- Time Machine:状況の定点観測
セキュリティモニタリング機能
- ふるまい検知:コマンド・パラメータ等のふるまい検知
- 独自プロトコル対応:L4レベルでホワイトリストへ追加が可能
- PCAP保存:Alertに連動してPCAPデータ保存
- 脆弱性情報検出:パッシブ検出による脆弱ノードの識別
- 外部システム連携:Firewall、SIEMとの連携制御
標準的な情報セキュリティ対策は産業ネットワークに適さないため、SCADAguardianのような産業向けに特化したサイバーセキュリティ対策を導入することが重要です。
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おすすめSCADAソフト3選
SCADAを導入するにあたって、自社の環境や仕様、既存機器との連携など、さまざまな点を考慮しなければなりません。開発や導入の工数やコストも含めてトータルコストを加味したうえで、おすすめのSCADAソフトを3つピックアップしました。
コストパフォーマンス、使い勝手など各機能を比較し、導入時・導入後に安心・安定して使用し続けられるかという点を考慮し、「コスパ」「実績」「知名度」別に参考となるパッケージ料金とカタログを紹介しているので、気になるSCADAの詳細を確認したうえで、どんな仕様での導入を検討しているのか、特別な開発が必要なのかなど、具体的な問い合わせを各社にしてみましょう。
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24時間稼働・既存設備のまま
導入したい製造業向けFA-Panel6
※引用元:FA-Panel6公式サイト
https://www.roboticsware.com/jp/fapanel-features/●一方が故障しても、もう一方が即座に切り替わって処理を継続できる二重化に対応。24時間365日の稼働が求められる製造ラインにも導入可。
●アンドン表示やガントチャートによる稼働監視、ノーコード帳票自動生成、100機種以上のPLCとの接続可能。“追加開発なし”で製造現場の改善サイクルをサポート。
●タグ数無制限・100機種以上のPLCに対応。既存の制御機器をそのまま活かせるため、低コストな導入につながる。
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監査・品質管理を強化したい
製薬会社・食品工場向けzenon
※引用元:zenon公式サイト
https://www.copadata.com/ja/products/zenon-software-platform/●FDA 21 CFR Part11やGMPに準拠した監査証跡・電子署名に対応しているから、品質保証や監査対応がスムーズ。
●高度なログ保存やアラーム履歴、帳票自動生成機能を搭載。
記録ミスや転記エラーをなくし、GMPにおける現場の記録業務の負担を軽減。●MQTT/OPC UA/REST APIといった新しいプロトコルにも対応。センサーや計測機器、MESと連携できるので、品質記録の一元管理、監査対応体制の強化に。
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停止や通信断が命取りとなる
大規模プラント・インフラ業界向けAVEVA Plant SCADA
※引用元:引用元:AVEVA公式サイト
https://www.aveva.com/ja-jp/products/plant-scada/●最大50万点のタグ・数百ノードへの接続が可能。大規模プラントでも、設備を分けずに監視できる体制を構築可。
●通信、サーバー、I/Oすべてに対して冗長化機能を備える。災害や障害が発生してもシステムが停止せず、安定した運用を維持。BCP(事業継続計画)対策としても有効。
●制御、運転、監視データを高速収集し、蓄積可能。タイムラグなく正確な制御判断ができ、事故や停止リスクを少なくできる。