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TEPCO IEC×コンピュマティカ 災害&サイバーに強い電力用SCADAの展望
海外に比べ、SCADAの導入が遅れている印象が強い日本ですが、徐々に理解が進み最近では自分たちが開発したSCADAシステムを海外に輸出を計画する企業も出てきています。そのなかで今回取り上げるのが、TEPCO IECが開発するSCADAシステムです。
海外への輸出が期待されるTEPCO IECのSCADA
海外へのSCADA輸出を考えているTEPCO IEC は、東京電力パワーグリット株式会社が、自社で開発したSCADAを海外に輸出するという目的によって作られたコンサルティング会社です。つまり、会社の存在そのものが、SCADA輸出を意識したものとなっています。
このTEPCO IECが開発した電力用特化型の次世代SCADAを海外で通用させるべく、実現したのがオランダのコンピュマティカ社との協業です。コンピュマティカ社の優れたサイバーセキュリティ技術を導入することで、これまでにない安全性を備えた次世代SCADAが完成。海外でも高い評価を得ることが期待されています。
SCADAの泣き所であるセキュリティ面
優れた性能を備え、今後の製造業では欠かせない役割を果たすと期待されているSCADAですが、課題とされているのがセキュリティ面です。SCADA のシステムは IT システムと異なる点が多く、パッチの適用が難しいとされています。
最近ではSCADAを狙ったサイバー攻撃も増加の一途をたどっており、導入時の徹底したセキュリティ対策は必須となっているのは間違いありません。そのため、SCADAが高評価を得るためには、高いセキュリティ性能が必要不可欠となっています。
TEPCO IEC×コンピュマティカにより、高いサイバーセキュリティ性能が実現
TEPCO IECが開発する電力用SCADAは、その特性上高いレベルのセキュリティ機能が求められているのは間違いありません。
コンピュマティカの高い技術が導入されたこのSCADAでは、サイバーセキュリティ対策が電力施設内のネットワークに設置されたファイアウォールで実行され、設備情報や制御信号を監視してくれます。ポイントは、流れる情報の詳細までをチェックできるようになったところ。これにより、悪意のある人物により仕込まれたウイルスの検知能力も飛躍的に向上し、安心してSCADAを運用できるようになりました。
まとめ
高技術を持った海外企業との協業により、これまでにないセキュリティ性能が期待されている、TEPCO IECの電力用次世代SCADA。国からも大きな期待がかけられているその機能性は、従来の課題をしっかり解決したものとなっており、今後ますます注目が集まっていくはずです。
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