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SCADAの基本機能は?

産業制御システムであるSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)は、現場に応じてさまざまな機能を追加、カスタマイズしていくことができます。

もちろん、標準機能のみであっても十分使用できる現場は数多くあるので、実際に運用していくところに合わせ、機能を見極めて使用していくべきでしょう。このページでは、SCADAソフトの持つ基本的な機能や特徴について紹介していきます。

設備をグラフィカルに表示・監視するグラフィック画面

SCADAではさまざまな設備の状態を視覚的に分かりやすく確認していくことができます。

見た目で状態が分かるので、不具合が生じているところについても一目見れば分かる仕様になっています。そのため、SCADA上では異常をすばやく見つけることができるうえ、見つけた問題箇所についてはすぐに対応を取っていくことができます。

また、SCADAの種類によっては2Dだけでなく3D画面での監視もできるので、より詳細に状況をチェックすることができます。視点を自由に動かして監視していく機能もあるので、問題箇所をより細かく調べることも可能です。

アラームを監視するアラーム機能

SCADAが制御している中でトラブルが発生した際には、アラーム通知を行ってくれる機能が搭載されています。

リアルタイムをはじめ、さまざまな形に対応してくれます。選択したライン・設備ごとのアラーム数、アラーム状態も簡単に確認できるようになっていますので、単なる通知だけにとどまらず、そこでどんな問題が起きているのかについても、細かく見ていくことができます。

問題が頻発するような箇所があった際には迅速に対応・対処していけるので、よりスムーズな業務改善へとつなげることができるでしょう。

また、アラームに連動してメールやSMSなどによる通知も受けられます。アラームが出た内容の詳細も確認できるので、何かあったときの迅速な対応に役立ちます。グループ全体に発信もできたり、勤務シフトに応じて送信先を変えられたりといった、臨機応変な対応も可能となっています。

プロセス値をトレンド表示するトレンド機能

SCADA内では、各設備のトレンドグラフを同時に複数表示できるようになっています。

これにより、産業システム全体の稼働状況を迅速に把握することができます。また、一時停止やデータのエクスポートなど、さまざまな機能を追加していくこともできます。

ヒートマップも分かりやすく色分けで表示されるようになっているので、どこに問題があるか、どの時間帯に問題が生じることが多いのかなど、現状の分析に役立てられます。

帳票機能

SCADAでは、SCADA上で監視している内容や過去の履歴などを、データベースに蓄積し、帳票データとして保管しておくことができます。

これによって過去データの参照が可能になっており、何かあった際に過去の状況と照らしあわせて適切な対応策をとっていくことができます。

サーバーに関してもメインのものに加えてサブのものを用意しておくことで、サーバー側に何かあったときのデータの欠損を防ぐことにつながります。

データ分析

SCADAでは、蓄積したデータをさまざまな形で分析し、今後のシステム運用に役立てていくことが可能となっています。

サードパーティ製品との接続もかんたんにできるものが多く、互換性も高いので、システム内の数値だけでなく、経理やその他の情報資産、ビッグデータなどと併せて分析をしていきながら、業務の最適化のシミュレーションを行っていけます。

情報というものは、企業にとって非常に大切な資産です。しかし、ただ持っているだけでは意味がなく、情報は掛け合わせることで初めて意味を持ちます。情報を効率的に蓄積、解析できるシステムというのは、業務改善に関してはなくてはならないものだといえるでしょう。

ハード面の設計思想

SCADAは、ハード面に関してもさまざまな設計思想を持って作られています。

基本的には、SCADAは一度導入した後は数年から数十年単位で運用されていくことになります。そのことを念頭において、さまざまな工夫がされた上で設計がされているので、実際の導入時に関しても、そのことを踏まえた上で検討をしていくべきでしょう。

目先のことだけでなく、将来的な運用方針まで考えていくことが肝要です。

OSへの依存性は低い

そのため、OSの変更などによって頻繁なアップデートを行わなくてはいけなくなると、運用に支障が生じてくる場合があります。

SCADAは基本的に、OSの変更への依存は極めて限定的なものとなっているものが多く、更新によって不具合が生じるケースをできるかぎり低減しています。

障害が起きたときの備えもあり

SCADAでは、システムそのものに障害が起こったとしても、待機系のシステムが自動的に監視制御作業を行うことで、システム障害による監視制御処理の中断を防ぐ仕組みができています。

そして主系システムが復帰時には、復帰前のデータをサーバー同士で通信・処理を行い、履歴、アラームなどのデータの欠損を防げるようになっています。

システムも100パーセント稼働し続けられるという保証があるわけではなく、不測の事態が起きてしまうケースもどうしてもあり得るわけなのですが、そうした際の備えについてもしっかりとされています。

システム全体の柔軟性を担保

SCADAでの制御に伴い、サーバー側に負荷がかかることもあります。そうした際、各サーバーにかかっている負荷を分散することで、それぞれの負荷を軽減することも可能となっています。

管理しているシステムのCPUに負荷がかかってしまった場合、トレンド表示やアラーム表示などの重要な機能に遅延が生じてしまうことがあります。そうした問題を前もって回避するための対策が取られているわけです。

I/Oタスクやアラームタスク、トレンドタスクといったSCADAの基本的なタスクを別々のコンピューターに割り当てて運用することで、それぞれの負荷を下げています。

もちろん、管理用のコンピューターを1台に集約する、ということも可能です。その際は、負荷に耐えられる高性能のコンピューターを用意する必要があるでしょう。

いずれにしても、現場の状況を鑑みた上で、適切な形で必要な機材を投入していくべきです。

SCADA運用で業務の見える化を

SCADAは、製造、生産、発電、インフラといった大規模な設備、さらには空港や船舶の港など、さまざまな現場で古くから活用されてきたシステムです。

年月を経て、そうした現場の設備がグレードアップされていく中でSCADAもブラッシュアップされてきており、現在の時流に沿った管理システムへと大きく変貌を遂げています。

基本的な機能だけでもかなりの情報を把握できるようになっているので、導入を検討する際には、まずはどういった機能がベーシックなものとしてあるのかを確認し、それが現場の状況に即しているのかを考えていくようにしましょう。

さらに、SCADAは拡張性も非常に高く、現場固有の事情に即した形でカスタマイズすることもできるようになっています。何が必要で何が必要でないのかを見極めた上で、さまざまな形でブラッシュアップを図っていくといいでしょう。

その際はメーカーなど専門家に相談し、アドバイスを仰ぐことをおすすめします。そしてSCADAも、最終的には使用する人次第。しっかりと機能を把握し、業務の見える化につなげていってください。

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