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トヨタ自動車のSCADA活用事例に見るデータ動線整理の重要性
※出典:トヨタの具体事例から見えてくる、データ動線整理の重要性|MONOist
データ動線整理の重要性
経産省も推進するデジタルフォーメーションによって製造業界の在り方が根本から変革しつつある昨今、産業用IoT特にSCADAがにわかに注目を集めています。
しかし、SCADAの導入にあたっては様々な課題があり、SCADAの活用に成功している企業の数もまだまだ多くはありません。とりわけ、データが各所に散らばることなく一元的に集約するようなデータ同線を確保することが大きな課題となります。
データ同線整理の重要性について、自動車業界の中でも早い段階でSCADAを導入したトヨタ自動車のMS車体生技部ボデー技術統括室の例から考えてみましょう。
トヨタ自動車のSCADA導入事例
大きな転換期を迎えつつある自動車業界の変化に対応するために、SCADAを導入する以前から様々な取り組みを行ってきたトヨタ自動車MS車体生技部ボデー技術統括室。しかし、そうした取り組みが裏目となって独立したシステムが工場内に併存することとなり、秒単位で設備の稼働状況が変わる自動車業界に特有の問題も相まって、必要な情報を即座に確認することが出来ない等の弊害に悩まされていました。
限界を迎えつつあった工場内の情報管理システムを革新するために、トヨタ自動車MS車体生技部ボデー技術統括室が導入に踏み切ったのがSCADAでした。SCADAを導入する以前は、それぞれの設備は工程PLCに接続され、工程PLCが可動管理や品質管理に必要なデータをその度毎にサーバに送信するというデータ同線が敷かれていました。しかし、この同線にはそれぞれの工程PLCに集められたデータを統合するセクションがなく、従ってデータを一元的に管理することが出来ません。また、設備で問題が発生した場合には、設備の近くの表示パネルまで技術者が駆けつけて設備の状態を確認する必要がありました。
SCADAを導入するにあたり、トヨタ自動車MS車体生技部ボデー技術統括室ではそれぞれの工程PLCに集められたデータをSCADAで管理するデータ同線に改めました。これにより、例えば設備の近くにいる技術者がタブレットで稼働状況を確認し、何か問題が起こればすぐに対応することが可能に。また、これまで記録することが出来なかった作業内容や設備の秒単位の稼働状況もデータとして蓄積することが出来るようになりました。
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おすすめSCADAソフト3選
SCADAを導入するにあたって、自社の環境や仕様、既存機器との連携など、さまざまな点を考慮しなければなりません。開発や導入の工数やコストも含めてトータルコストを加味したうえで、おすすめのSCADAソフトを3つピックアップしました。
コストパフォーマンス、使い勝手など各機能を比較し、導入時・導入後に安心・安定して使用し続けられるかという点を考慮し、「コスパ」「実績」「知名度」別に参考となるパッケージ料金とカタログを紹介しているので、気になるSCADAの詳細を確認したうえで、どんな仕様での導入を検討しているのか、特別な開発が必要なのかなど、具体的な問い合わせを各社にしてみましょう。
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24時間稼働・既存設備のまま
導入したい製造業向けFA-Panel6

※引用元:FA-Panel6公式サイト
https://www.roboticsware.com/jp/fapanel-features/●一方が故障しても、もう一方が即座に切り替わって処理を継続できる二重化に対応。24時間365日の稼働が求められる製造ラインにも導入可。
●アンドン表示やガントチャートによる稼働監視、ノーコード帳票自動生成、100機種以上のPLCとの接続可能。“追加開発なし”で製造現場の改善サイクルをサポート。
●タグ数無制限・100機種以上のPLCに対応。既存の制御機器をそのまま活かせるため、低コストな導入につながる。
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監査・品質管理を強化したい
製薬会社・食品工場向けzenon

※引用元:zenon公式サイト
https://www.copadata.com/ja/products/zenon-software-platform/●FDA 21 CFR Part11やGMPに準拠した監査証跡・電子署名に対応しているから、品質保証や監査対応がスムーズ。
●高度なログ保存やアラーム履歴、帳票自動生成機能を搭載。
記録ミスや転記エラーをなくし、GMPにおける現場の記録業務の負担を軽減。●MQTT/OPC UA/REST APIといった新しいプロトコルにも対応。センサーや計測機器、MESと連携できるので、品質記録の一元管理、監査対応体制の強化に。
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停止や通信断が命取りとなる
大規模プラント・インフラ業界向けAVEVA Plant SCADA

※引用元:引用元:AVEVA公式サイト
https://www.aveva.com/ja-jp/products/plant-scada/●最大50万点のタグ・数百ノードへの接続が可能。大規模プラントでも、設備を分けずに監視できる体制を構築可。
●通信、サーバー、I/Oすべてに対して冗長化機能を備える。災害や障害が発生してもシステムが停止せず、安定した運用を維持。BCP(事業継続計画)対策としても有効。
●制御、運転、監視データを高速収集し、蓄積可能。タイムラグなく正確な制御判断ができ、事故や停止リスクを少なくできる。