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SCADAはどうなる?第4次産業革命がもたらす制御システムの未来
監視制御システムSCADAは、近年欧州を中心に大きくその役割を拡大させていますが、残念ながら日本ではいまだに普及しているとはいえない状況が続いています。しかし、第4次産業革命によって多くの物事がデジタル化するなかで、日本におけるSCADAの扱いが変わってくる可能性はあります。
SCADAとは?
SCADAとは、コンピューターとソフトウェアで構築されたシステムであり、製造業の現場などで設備が正しく動作しているかなどを監視・制御する役割を持っています。近年注目を集めているSCADAですが、実際には30年以上前から存在しており、以前は「表示器」としての役割を持っていました。
現在では、第4次産業革命により進められるIoT化の流れを受け、基本的には各機器とSCADAをネットワークで結ぶことが前提とされています。そのため、以前のような「表示器」としての役割にとどまらず、現在のSCADAはIIoTソフトウェアプラットフォームとして、「製造ラインに接続されたタブレット表示」「アラームの詳細解析」「バッチプロセス制御」などの機能を備えるまでのシステムとなっています。
SCADA導入に消極的な日本
欧州ではSCADAを活用した新しいシステムが導入されているなかで、日本の製造業が大きく遅れをとっているのは間違いありません。日本ではいまだに装置の管理や監視を人に任せているケースが多く、大きくマンパワーを割かれてしまっています。
そのため、日本ではいまだにSCADAと聞くと「表示系」というイメージのままで止まってしまっている企業や人が多く、正しい理解がされていないために適切な導入が進められていないのです。
第4次産業革命により、変化の波が到来
第4次産業革命により製造業の革新が起きている現在。どちらかというと日本ではAIに注目が集まっていますが、あらゆる「モノ」がネットワークにつながり、情報を発信するIoTについても、ようやく理解が進み始めています。
この流れを受け、IIoT(産業用IoT)を考えた際に決して見過ごせないSCADAの存在が、今後注目されていくのは間違いないでしょう。SCADAを正しく理解したうえで導入していけば、人とシステムが一体化され、より生産性・品質性が向上していくはずです。
まとめ
欧州では既に当たり前のように「IIoTソフトウェアプラットフォーム」として導入されているSCADA。日本ではまだまだ正しい認識がされていませんが、正しい活用ができたそのときには、第4次産業革命を生き抜いていくことができるでしょう。
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おすすめSCADAソフト3選
SCADAを導入するにあたって、自社の環境や仕様、既存機器との連携など、さまざまな点を考慮しなければなりません。開発や導入の工数やコストも含めてトータルコストを加味したうえで、おすすめのSCADAソフトを3つピックアップしました。
コストパフォーマンス、使い勝手など各機能を比較し、導入時・導入後に安心・安定して使用し続けられるかという点を考慮し、「コスパ」「実績」「知名度」別に参考となるパッケージ料金とカタログを紹介しているので、気になるSCADAの詳細を確認したうえで、どんな仕様での導入を検討しているのか、特別な開発が必要なのかなど、具体的な問い合わせを各社にしてみましょう。
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24時間稼働・既存設備のまま
導入したい製造業向けFA-Panel6
※引用元:FA-Panel6公式サイト
https://www.roboticsware.com/jp/fapanel-features/●一方が故障しても、もう一方が即座に切り替わって処理を継続できる二重化に対応。24時間365日の稼働が求められる製造ラインにも導入可。
●アンドン表示やガントチャートによる稼働監視、ノーコード帳票自動生成、100機種以上のPLCとの接続可能。“追加開発なし”で製造現場の改善サイクルをサポート。
●タグ数無制限・100機種以上のPLCに対応。既存の制御機器をそのまま活かせるため、低コストな導入につながる。
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監査・品質管理を強化したい
製薬会社・食品工場向けzenon
※引用元:zenon公式サイト
https://www.copadata.com/ja/products/zenon-software-platform/●FDA 21 CFR Part11やGMPに準拠した監査証跡・電子署名に対応しているから、品質保証や監査対応がスムーズ。
●高度なログ保存やアラーム履歴、帳票自動生成機能を搭載。
記録ミスや転記エラーをなくし、GMPにおける現場の記録業務の負担を軽減。●MQTT/OPC UA/REST APIといった新しいプロトコルにも対応。センサーや計測機器、MESと連携できるので、品質記録の一元管理、監査対応体制の強化に。
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停止や通信断が命取りとなる
大規模プラント・インフラ業界向けAVEVA Plant SCADA
※引用元:引用元:AVEVA公式サイト
https://www.aveva.com/ja-jp/products/plant-scada/●最大50万点のタグ・数百ノードへの接続が可能。大規模プラントでも、設備を分けずに監視できる体制を構築可。
●通信、サーバー、I/Oすべてに対して冗長化機能を備える。災害や障害が発生してもシステムが停止せず、安定した運用を維持。BCP(事業継続計画)対策としても有効。
●制御、運転、監視データを高速収集し、蓄積可能。タイムラグなく正確な制御判断ができ、事故や停止リスクを少なくできる。