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SCADAの導入メリットとは?
SCADAシステムの導入を考えている場合には、さまざまな面からの検討が必要となります。そこでこちらの記事では、SCADAを導入した際のメリットやデメリットに加えて、費用対効果やROIについてまとめました。
SCADAのメリットとデメリット
SCADAのメリット
SCADAを利用するメリットのひとつとして、「全体的なシステムの制御・監視が可能になる」点が挙げられます。大規模なインフラにおける複雑なシステムでも一カ所から管理を行えるようになるため、万が一ハードウェアやソフトウェアに問題が発生した場合でも、迅速に対応を行えるようになります。
さらに、「開発コストが下げられる」点もSCADAを利用するメリットです。例えば通信機能や状態監視機能、グラフィック機能、ロギング機能、集計機能など、さまざまな機能を汎用化して提供している点がSCADAの大きな特徴となっています。これを利用することで、開発を行わずにさまざまな機器の監視や制御を実現できるようになります。そのため、開発に必要となる時間やコストの削減に繋げられます。
加えて、SCADAを利用すると地理的に離れた場所からの監視・制御を行えるようになります。そのため、物理的な移動をせずにリモート管理を行えるようになる点もメリットといえます。
SCADAのデメリット
SCADAは、状況によってはいくつかの課題が考えられます。
例えば、「導入コスト」が挙げられます。メリットの部分でご紹介したように、ゼロからの開発と比較するとSCADAを利用した方が開発費を抑えられるものの、ハードウェアやソフトウェアなど、導入に際して必要となる設備投資が大きくなるケースもあるため、導入コストが問題となってくる可能性があります。
また、SCADAシステムは大規模なインフラを制御する役割を持っているために、サイバー攻撃の対象となるリスクがつきまとうことになります。この点から、SCADAシステムを導入する場合にはセキュリティ対策を行っておくことが大切です。 さらに、SCADAシステムの運用や管理を行っていくためには、専門的な知識や経験が求められます。そのため、システムを運用できる人材の確保を行わなければならない部分がデメリットとなる可能性もあるでしょう。
SCADAの役割
SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)は、日本語では「監視制御システム」と呼ばれています。簡単に言うと、工場や生産設備など規模の大きな施設や大規模インフラを構成している装置などからデータの収集を行い、監視を行います。
製造業では、製品の種類や量が増えるにつれて工場・設備の規模が大きくなることが一般的であり、それぞれの機器がどのような状況なのかを把握して制御することが難しくなります。そこでSCADAを導入すると、施設内に点在する機器のデータを1つの場所に集約した状態で設備やインフラ全体の監視や制御が行えます。
監視や制御を1か所で行えるようになると、機器のトラブルなどにも迅速に対応ができるようになるため、工場の生産効率アップにつなげられます。
SCADAの費用効果
SCADAは導入コストが大きくなる傾向がありますが、長い目で見た場合にはインフラを効率的に運用できるようになる、事故を低減する、メンテナンスコストの削減などの効果が得られるといった効果が期待できるため、費用対効果が高くなる可能性が考えられます。 特に遠隔地にある施設や機器を監視するためにSCADAを導入した場合には、施設への人員配置にかかる費用や出張費用を削減できる点に加えて、トラブルがあった場合にも迅速に対応できるなどの効果が期待できます。
ただし、これらの費用対効果については、SCADAを導入する施設・設備の規模や利用状況など、導入する環境により変わってくる点がポイントです。
SCADAの投資回収期間(ROI)
ROI(Return On Investment)とは、投資額に対してどれくらい利益を上げられたのかを示す指標ですが、ROIを計算することで投資額をどれくらいの期間で回収できるのかを把握することができます。
しかし、SCADAシステムにおいてROIを算出することは難しい面があります。これは導入によって得られるメリットが、「運用効率化」や「事故を低減する」など直接的な利益の形で現れないものが多い点がその理由です。
ただし、システム導入によって人件費削減や運用効率化、事故の発生による損失低減なども期待できる面もあります。このような点がROIを向上させる要素になる可能性が考えられますので、導入前にはあらかじめROIの算出を行って長期的な視点から費用対効果を評価することが大切です。