SCADA MAGAZINE » IIoT新時代で注目度の増す監視制御システム(SCADA)の未来トピックス » SCADAの国内シェアと海外シェアについて

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SCADAの国内シェアと海外シェアについて

第4次産業革命の到来により、今後ますます注目を集めていくことが予測される監視制御システムSCADA。しかし、現在のSCADAの国内シェアと海外シェアがどうなっているか、詳しくは知らないという方が多いでしょう。そこで今回は、主にSCADAの国内シェアについてご紹介します。

時代と共に役割が変化してきたSCADA

30年以上前からSCADAは、第4次産業革命によってその役割を大きく変化させています。以前は「表示器」としての役割を果たすのみとどまっていたSCADAですが、現在ではIIoTソフトウェアプラットホームに変化。多機能を備えたシステムとして、製造業の多くの場面で活躍し、今後のさらなる普及も期待できます。

この役割の変化により、当初は混乱もありましたが、徐々に導入する目的が明確になるにつれ、SCADAの導入を検討する企業が日本でも増えてきました。では、現在の国内シェアはどうなっているのでしょうか。

導入が遅れているSCADAの国内シェアに注目

近年では日本の大手メーカーも導入を検討し始めているSCADAですが、国内の大手電機メーカーの動きは鈍く、SCADAのシェアを押さえる動きは見られませんでした。それぞれ、自社の専用システムにこだわってしまったのが、その理由ともいえます。

現在、SCADAのシェアを押さえているのは海外メーカーのAVEVA Group (InTouch)とGE Digital(iFixなど)で、日本国内のSCADA市場でも高い存在感を発揮しています。
海外製品を除く国産のSCADAパッケージとしては、FA-Panelのロボティクスウェアが首位となっています。

▼左右にスクロールできます▼

【販売金額】

単位:百万円

企業名/年次 2020年実績 シェア 2021年見込み シェア
AVEVA Group 850 30.9% 870 31.1%
GE Digital 500 18.2% 500 17.9%
ロボティクスウェア 335 12.2% 350 12.5%
横河電機 175 6.4% 175 6.3%
三菱電機 50 1.8% 55 2.0%
その他 840 30.5% 850 30.4%
合計 2,750 100% 2,800 100%

引用元:富士経済「2021年版 DIGITAL FACTORY 関連市場の実体と将来展望」調べ p203

順調に世界市場を拡大しているSCADA

SCADA導入の流れに後れを取っている日本とは違い、世界では順調に市場が拡大しています。SCADA市場は、2019年には110億ドル、2024年には152億ドルと、CAGR (複合年間成長率)は6.7%という数字で成長していく見込みとなっています。

ここまで市場が拡大した理由としては、遠隔端末ユニット (RTU) の需要増加が挙げられます。遠隔端末ユニットをミスなく正確に管理していくため、SCADAの存在が必要とされているのです。また、世界で多くの市場シェアを占めているのは、アジア太平洋地域諸国となっています。

まとめ

欧州に比べると導入の動きが鈍く、日本の大手電機メーカーがシェアを押さえられなかったSCADA市場。世界では今後ますます市場拡大の動きが活発になっていくことが予想されており、今後国内の市場にも何らかの変化が起きる可能性はあります。成長著しいSCADA市場には、今後ますます注目です。

おすすめSCADAソフト3選

SCADAを導入するにあたって、自社の環境や仕様、既存機器との連携など、さまざまな点を考慮しなければなりません。開発や導入の工数やコストも含めてトータルコストを加味したうえで、おすすめのSCADAソフトを3つピックアップしました。

コストパフォーマンス、使い勝手など各機能を比較し、導入時・導入後に安心・安定して使用し続けられるかという点を考慮し、「コスパ」「実績」「知名度」別に参考となるパッケージ料金とカタログを紹介しているので、気になるSCADAの詳細を確認したうえで、どんな仕様での導入を検討しているのか、特別な開発が必要なのかなど、具体的な問い合わせを各社にしてみましょう。

  • 24時間稼働・既存設備のまま
    導入したい製造業向け

    FA-Panel6

    株式会社ロボティクスウェア|FA-Panel6のカタログ表紙

    ※引用元:FA-Panel6公式サイト
    https://www.roboticsware.com/jp/fapanel-features/

    ●一方が故障しても、もう一方が即座に切り替わって処理を継続できる二重化に対応。24時間365日の稼働が求められる製造ラインにも導入可。

    ●アンドン表示やガントチャートによる稼働監視、ノーコード帳票自動生成、100機種以上のPLCとの接続可能。“追加開発なし”で製造現場の改善サイクルをサポート。

    ●タグ数無制限・100機種以上のPLCに対応。既存の制御機器をそのまま活かせるため、低コストな導入につながる。

    公式HPで公開されている
    カタログを見る

    公式HPで
    機能詳細を見る

  • 監査・品質管理を強化したい
    製薬会社・食品工場向け

    zenon

    zenon公式HP

    ※引用元:zenon公式サイト
    https://www.copadata.com/ja/products/zenon-software-platform/

    FDA 21 CFR Part11やGMPに準拠した監査証跡・電子署名に対応しているから、品質保証や監査対応がスムーズ。

    ●高度なログ保存やアラーム履歴、帳票自動生成機能を搭載。
    記録ミスや転記エラーをなくし、GMPにおける現場の記録業務の負担を軽減。

    ●MQTT/OPC UA/REST APIといった新しいプロトコルにも対応。センサーや計測機器、MESと連携できるので、品質記録の一元管理、監査対応体制の強化に。

    公式HPで公開されている
    カタログを見る

    公式HPで
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  • 停止や通信断が命取りとなる
    大規模プラント・インフラ業界向け

    AVEVA Plant SCADA

    aveva

    ※引用元:引用元:AVEVA公式サイト
    https://www.aveva.com/ja-jp/products/plant-scada/

    ●最大50万点のタグ・数百ノードへの接続が可能。大規模プラントでも、設備を分けずに監視できる体制を構築可。

    ●通信、サーバー、I/Oすべてに対して冗長化機能を備える。災害や障害が発生してもシステムが停止せず、安定した運用を維持。BCP(事業継続計画)対策としても有効。

    ●制御、運転、監視データを高速収集し、蓄積可能。タイムラグなく正確な制御判断ができ、事故や停止リスクを少なくできる。

    公式HPで公開されている
    カタログを見る

    公式HPで
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